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やがて哀しき外国語(著)村上春樹

2004 1月 11
by shinya

yagate.jpgある本を前に読んでみたときはまったくピンとこなかったけど、何年かして読んでみるととても面白く読めたっていう経験ないですか? 何年かの間に、自分が成長して、いろいろな経験を積み重ねた結果、今までわけがわからなかった本が楽しめるようになる。この「やがて哀しき外国語」は、僕にとってまさにそんな本でした。
この本は、著者である村上春樹氏がアメリカのプリンストン大学に滞在していた時の経験談がまとめられたエッセー集です。二年半に渡るプリンストン生活の中で彼が感じた日本とアメリカの違いや、苦労話などについてラフな感じで、楽しく書かれています。


僕がこの本を初めて手にとったのは今から5年位前だった気がします。そう、アメリカに来る前です。その頃の僕は毎日ボケ〜っと過ごしてて、あんまり本なんか読まない人間だったんですが、かろうじて村上春樹の本だけはいくつか読んでました。でもその時も、「やがて哀しき外国語」だけは書かれている内容にピンとこず、買ってはみたものの読まなかったんです。ところがその後アメリカに渡り、四年以上滞在している今、もう一度読み返してみると、あらビックリ。こんなに面白い本だったのかとちょっと驚きました。自分も変わっていく過程で、読める本というのも変わっていくんでしょうね。そんなわけで、面白いなと思った文章をいくつか抜粋しておきます。
内容(『やがて哀しき外国語』からの抜粋)

英語を一生懸命話しながらふと「なんでこんなことをやってなくちゃならないのか」と思うことがある。店の売り子に「What?」と大声で聞き返されたり、自動車修理工場に行っておっさん相手に汗をかきながら症状の説明をしたりしていると、ときどき自分が情けなくなってくることがある。(p.175)

通りを歩いている五、六歳のアメリカ人の子供がすらすらと奇麗な英語を話しているのを耳にすると、「子供でもうまく英語を話すのになあ」と思って愕然としたりする。」(p.176)

日本の床屋と、外国の床屋とのあいだには相当な技術格差がある。はっきり言って、盆栽いじりと芝刈りくらいの差がある。」 (p.187)

ベストセラー作家も、僕なんかと同じようなことを考えたりするんだな〜と、村上氏を身近に感じることができて、とても興味深かったです。

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