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海辺のカフカ / 村上春樹

2005 4月 11
by shinya

海辺のカフカ (上)
村上 春樹

新潮社 2005-02-28
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村上春樹氏によって書かれた「海辺のカフカ」を今日読破しました。上下巻合わせて800ページ強。お風呂に入る時に少しずつ読んでいたので全て読み終えるまでかなり時間がかかってしまいました。
この本を読み進めて行く過程で、現在の自分とこの物語に出てくるそれぞれのキャラクター達との心境がシンクロし、頭だけでなく、全身を使って読んだような気になり、なんともいえぬ一体感のようなものを味わいました。そんな中、いろいろなことを考えさせられて、まあ、難しいことはわからないのですが、僕にとってこの本は自分の「生き方」というものに向き合わせてくれる哲学書のようなものかなと思いました。


物語はいくつかの別々のエピソードで構成されていて、それが最後に一つの話へとつながていくため、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を思い起こさせました。それと「オディプス・コンプレックス」の話がベースになっているような印象だったのですが、どうなんでしょうか。例の男の子は母親をめぐって父親と争って…というような話。フロイトとかの精神分析的なエッセンスがかなり入っているような気がしたのですが、僕の浅知恵による勘違いなのでしょうか。
いずれにしても、故郷を離れ旅する主人公や中日ドラゴンズ大好きの星野ちゃんなど、今の自分の心境を重ね合わさずにはいられず、彼らの最後に出す結論や、覚醒していく姿を追いながら、自分の今後の人生の進路や決断などについて考えさせられたりしました。この年になって、15歳の主人公とシンクロしてたらかなりヤバイと思うんですけどね…。大島さんだとか、さくらさん、ナカタさんなどの生き方を見て、日本で頑張っている友達なんかのことも考えたりしました。ただ、図書館のことや記憶に関することなど、まだまだピンとこない部分も多いので、もう少し時間をおいて、しばらくしてからまた読み返せれば、新しい発見があるのかなと思っています。
しかし、図書館で働く大島さんは弱冠21歳なんすよね。若いっちゅーねん。でも、彼の言うことがあまりにビシビシと僕に突き刺さってきたので、ここにいくつか彼のセリフを名言集として覚え書きしておきます。

「経験的なことから言うなら、人がなにかを強く求めるとき、それはまずやってこない。人が何かを懸命に避けようとするとき、それは向こうから自然にやってくる。もちろんこれは一般論に過ぎないわけだけれどね。」(p.266 上巻)

「乗り越えるもなにも、僕がやるべきことはたったひとつしかない。この僕の肉体という、なににも増して欠陥だらけの入れものの中で、なんとか日々を生きのびていくことだけだよ。…」(p.65 下巻)

「すべての文明は柵で仕切られた不自由さの産物なんだ。」(p.153 下巻)

「逃げまわっていても、どこにも行けない」(p.421 下巻)

「世界はメタファーだ、田村カフカくん」(p. 425 下巻)

あとは最後に、この全編を通じて頑張った星野ちゃんの言葉で今回のエントリーを締めくくらせていただきます。

「俺が自分で選んじまった道だもんな。最後までつきあうしかない。どんな気色の悪い奴が出てくるか見当もつかねえけど、まあいい、ホシノくんとしても全力をつくそうじゃないか。」(p.398 下巻)

明日は月曜日です。一週間、はりきって頑張っていこうと思います。
最後の最後にこの本を読んで、「メタファー」というものを少し考えるようになったので、興味深そうなウェブサイトのURLも覚え書きしておきます。
▼メタファー研究
メタファー研究
含蓄と認識、メタファーについて
メタファーと認知

【関連記事はこちら】
  • 渡辺正太郎

    僕もこの本を読んだけど、正直良くわからなかった。(違う捉え方もできて、それこそメタファーなんだろうけど)15歳の男と50歳の女が交わるというのはどうかと・・・。

  • http://www.iloveidaho.com/blog/shinya/ shinya

    僕もよくわからなかったことだらけです。なんかいろんなわけのわからことが物語の中で起こって…。まあ全てが村上氏のメタファーなんでしょうね。でも僕は、そういう一つ一つには実はあまり注意を払っていませんでした(ダメじゃん…)。結局は自分なりに(あくまで勝手に)解釈できた部分だけが頭に残っています。上巻で語られている夏目漱石の話あたりが、とても興味深かったな〜と思っています。